入江君を見上げると、キッと私を睨んでいた。



「俺じゃダメなの?」



私は答えずに部室から逃げ出した。



走って、倉庫裏に行く。



途中、笑って練習している拓也が見えて、涙がこぼれた。




私は倉庫裏で声を押し殺して泣いた。