「返事は?」



入江君はいつもみたいに優しく笑っている。



「ゴメンなさい。」



私は目を反らした。


入江君の表情を見たくなかったから。



「なんで?」



想像がつくような震えた声で言われた。



「付き合ってる人がいるから。
ゴメンね。」



居づらくて帰ろうとドアに向かうと、腕を掴まれた。



「何?」