「順平と組めてよかったよ。」



レギュラーに選ばれて、拓也が最初に言った言葉だ。



その言葉が先輩のいるところでだったらどうなっていたか…。



私は聞きながらヒヤッとした。



まあ、拓也は9年も野球をやり続けてきたから、レギュラーは当たり前だったみたい。



最初の4年は遊び感覚でやっていたらしいけど、一緒にやっていた男の子よりずば抜けて上手かった。




「楽しそうでいいね。」


「まあな。」



順平君も加代とそう話していた。