「お待たせしました。」
外のベンチで、本を読みながら待っていた海兎さんに声をかけた。
―パタン
「おぅ。じゃあ行こうか、何処で食う?」
分厚い本をすでに3分の2読んでいた海兎さんは、栞を挟んで袋にしまい、笑顔で聞いてきた。
「そうですね、僕は何処でも良いですよ。海兎さんの行きたい所どうぞ。」
そう言って歩き出した。
「お前さん何時も何処で飯食うの?」
「僕は…あのお店で食べてますよ。とっても美味しいんです!」
じゃあさ、“そこ行こうぜ”と海兎さんが言うので。僕達は本屋の斜め前にある定食屋さんに入った。
―ガラガラ
「いらっしゃいませ!!」
と僕たちがお店にはいると、直ぐ様店員さんがやって来て、案内してくれた。
「2名様ですね。こちらへどうぞ。メニューがお決まりでしたら、こちらのボタンを押してください。」
手際よく水を二人分置いて、メニュー表をだし、“失礼します”と言って下がっていった。

