雪流はとても綺麗に微笑んだ。俺を安心させるように。
優しい雪流。俺が不安に弱気になってちゃいけないよな!
雪流の方が不安なはずだ、俺がしっかりしないと。
「また雪流に慰めてもらっちゃったな。
でも…サンキュ。
もう大丈夫。」
「良かった。海兎の笑顔が僕の元気の源なんですから!」
“それは俺の方だよ雪流。いつもお前の笑顔に助けられてるんだ、俺は”
「さぁ~。今日は家に帰る日だぞ!着替えないとな!」
「はい!」
雪流は、脳を強く打ったのと腕や足を打撲した程度で、入院食は普通に食べれていた。
しかし脳の損傷が激しいらしく、いつ…その…眠ったまま、になるかわからない。
「お世話になりました。ありがとうございます!」
雪流を車椅子にのせ玄関に着いたところで、看護師さん達に挨拶をしていた。
「気を付けてね。」
「いつまでも仲良くね。」
「無理しないように!」
口々に挨拶をして交していく。俺達の仲を知っている看護師さん達は、変な目で見るどころか応援してくれていた。
「大丈夫ですよ、俺が居ますから!」
「そうね、じゃあ元気でね~!」「はい。ありがとうございました。」