「海兎っす。よかったあ~~。覚えててくれて。
“誰ですか?”とかって返って来たらマジへこんでたよ。
そっか、朝から晩まで暇無いか。それじゃあしょうがないな。
じゃあまたの機会に誘うよ。
またメールするなぁ~(・o・)ノ」
と返事が返って来た。僕は正直驚いた。昨日逢ったばっかりで、いきなりメールしてきて。
断わったのに、気を悪くすることなく。またメールすると返して来たあの人に。
「悪い人じゃないのかなぁ?」
僕は最初、あんな出逢い方をしたから、本当“なんだこの人”って軽い人に見てた。
でも、このメールを見て、また逢ってみたくなっていた。
―パタン 携帯を閉じて。
「さぁ、バイトバイト。」
僕は今度こそベットから降りて、キッチンに向かった。
「ありがとうございました!」
会計を済ませ、本を手渡して頭をさげた。
もうすぐお昼だなぁ。今日はなに食べようかな。
僕は、夜間校に入学してからずっと、この本屋でアルバイトをしている。もうすぐ1年になる。

