それから俺は、病院に許可を得て雪流を個室に移し。面会謝絶にしてもらった。
雪流と二人きりで過ごしたかったから。
「おはよう。雪…良く眠れた?」
「はぃ。それはもぅ。」
俺は雪流と二人きりで過ごすため、病室にもう一つベットを用意してもらった。
「雪流……。」
「なんですか?」
「愛してる。」
と口付ける。深く深く。何度も、時間を惜しむように。
「屋上行く?車椅子借りてあるからさ。庭がいいなら、そっちでもいいよ?」
病室に篭っていても可哀想だから。雪流が行きたいところなら、何処へだって連れてってやる。
何だって、雪流のしたいことなら、叶えてやりたい。
そう言ったら、雪流のやつこう言ったんだ。
“じゃあ笑っていてください…ずっと”
って。“海兎の笑顔好きなんです”って。
だから俺は一週間、雪流の前では笑っていてやろうと思ったんさ。
「庭に…行きたいです。お花が綺麗ですょ。」
今日は庭に行くことにした。
「了解。姫の仰せのままに。」
姫だきして持ち上げ、車椅子に乗せた。前よりあきらかに細くなっている。