「良いよ、俺が払うから。」
と僕より先に伝票を取って、さっさと会計に行ってしまった。
「えっ…ちょっ…待ってください!!」
僕は慌てて追い掛けた。
そんな逢ったばっかりなのに、奢ってもらうわけには行かない。
僕はこう言う事には敏感だ。やっぱり、そう簡単に人に頼りたくはない。
「ありがとうございました。」
追い付いた頃には、海兎は会計を終えていた。
「あっ!!待ってくださいって言ったじゃないですか。」
「良いって、昨日のお詫びしたいって言ったろ?それに俺が勝手にしてることさ。気にすんなって。」
でも、とまだ納得しない僕に、海兎はじゃあ今度休みの日に、ちゃんと逢って俺と遊んでよ、“それでチャラ”と言った。
「う…分かりました。」
それならいいかと、僕も納得しその日はそのまま僕はバイトに、海兎は“また今度”と帰っていった。
これが海兎との出逢い。ほとんど僕は流されていた感じだけど;
それから僕がバイトが無い日はよく遊んだよね。

