君と僕との最後の一週間



僕の目の前に座っている彼が、急に真剣に自己紹介を始めて、僕はちょっと赤面した。

「えっと。はじめまして。雪流です。歳は16です。」

僕の名前は“雪流”と書いて“ユキル”と読む。珍しい名前だとよく言われていた。冬に産まれたかららしいけど。

「海兎ってよんで良いよ。俺も雪流ってよぶからさ。でも雪流って珍しい名前だな。」

やっぱり言われると思った。そう思って名前の由来を言ったら。思わぬ返答が来た。

「そうか。でも俺も人のこと言えないよな。海兎って珍しいだろ?俺も夏に産まれたかららしい。」

確に海兎って名前も珍しいかも。なんて考えていたら。

“そうそうしかも兎年だから海兎だって”
“でもカッコいいだろ?”
と笑ってはなしていた。

料理が来ても飽きることなく、僕達はいろんな事を話した。

こんなに誰かと話をしたのは、久し振りかもしれない。とても楽しかった。

「美味しかったぁ。ごちそうさまでした。そろそろ時間ですね。」

「うん。そうだな、じゃあ出ようか。」

“はい”と言って僕は伝票を取ろうとした。