そんなことある?と顔を合わせるも事実は変わらない
「嫌だったら別の場所でも_____」
俺がそう言いかけた時、一ノ瀬の声が遮った。
「とりあえず入ろっか!」
カランカラン
入店のベルがなる。
それと同時に
「カップル様ご来店でーす」
という店員の声が聞こえた。
このお店にはプライバシーというものがないのか。
まあ、カップルしか入店禁止みたいなものだもんな。
「お客様。本日、ビジネスカップル様が紛れ込んでいた事件がございまして、カップルというショーメイが必要なんです」
頭のなかにはてなマークがたくさん並ぶ。
ビジネスカップルってダメなの?
じゃあ俺たちもダメじゃん。
というかショーメイってなんですか。
「ショーメイって?」
一ノ瀬の同じことを思っていたようだ。
「特に具体的には決まってませんが、先ほどのお客様は誓いのキスをされていました。」
一ノ瀬の方を見る。
誓いのキス。
絶対無理だ。
俺のこと好きじゃないのに、一ノ瀬がキスさせられるなんて可哀想すぎる。

