彼が結婚してくれなくて

深呼吸をする。それでも、鼓動は速い。
電話をかけた。
しばらく呼び出し音が鳴った。

「もしもし?」
「……優斗」

自分の声が震えているのがわかった。

「どうした?」

目を閉じた。
そして、ずっと頭の中で繰り返してきた言葉を口にする。

「妊娠したの」