雫がそう言って、自分の足元をみる。俺も同じように少しだけ足を伸ばした。朝からずっと歩き回っていたせいか、思っている以上に疲れている。
「そろそろご飯にする?」
「そうしようか」
「何食べる?」
「せっかくだし、この辺のものがいいよね」
「じゃあ、探してみよう」
そう言って歩き出したところで、雫が少し先にある店を見つけた。大きな店ではないけれど、外から見える店内には何組かの客だいて、窓越しに料理を選ぶ店員の姿が見える。
「ここ、良さそうじゃない?」
「うん。入ってみる?」
「うん!」
店の前まで行くと、雫が一度だけ俺の顔を見る。
「混んでないかな」
「見た感じ、大丈夫そうだよ」
「じゃあ、ここにする?」
「ここにしよっか」
俺がそう言うと、雫が先に扉を開ける。俺もその後ろに続いて店の中へ入った。
席に案内されて腰を下ろすと、それまで歩いていたときには気づかなかった疲れが一気に出てくる。雫も椅子に座るなり、小さく息を吐いて背もたれに体を預けた。
「結構歩いたね」
さっきも同じことを言ったことだけど、同じことを言ってしまうくらい疲れていた。
「ほんとにね」
「でも、楽しかった」
「また、どっか行きたいね」
「行きたいね」
メニューを開きながら、今日見たものや、途中で道を間違えたことを思い出して笑う。こうして座って振り返ってみると、本当にいろんなところを歩いたんだなと思う。
「湊、あのとき地図見ながら自信満々だったのに、全然違う方向行ってたよね」
「いや、あれは雫も同じだったじゃん」
「私は途中で気づいたもん」
「俺だって気づいたもん」
「俺だって気づいてたよ」
「じゃあ、なんでそのまま歩いてたの?」
「……雫についていっただけ」
「それ、ずるい」
笑いながらメニューを覗き込む雫を見て、俺も笑った。こういう時間が、なんだか好きだった。
運ばれてきた料理を食べながら、そんな何気ない話の途中で、雫が箸を置いた。
「ねぇ、湊」
「ん?」
「この前、一週間くらい遠くに撮影しに行ってたって言ってたドラマ、見たよ」
「ああ、あれ?」
「うん」
「見てくれたんだ」
「うん、見た」
「そろそろご飯にする?」
「そうしようか」
「何食べる?」
「せっかくだし、この辺のものがいいよね」
「じゃあ、探してみよう」
そう言って歩き出したところで、雫が少し先にある店を見つけた。大きな店ではないけれど、外から見える店内には何組かの客だいて、窓越しに料理を選ぶ店員の姿が見える。
「ここ、良さそうじゃない?」
「うん。入ってみる?」
「うん!」
店の前まで行くと、雫が一度だけ俺の顔を見る。
「混んでないかな」
「見た感じ、大丈夫そうだよ」
「じゃあ、ここにする?」
「ここにしよっか」
俺がそう言うと、雫が先に扉を開ける。俺もその後ろに続いて店の中へ入った。
席に案内されて腰を下ろすと、それまで歩いていたときには気づかなかった疲れが一気に出てくる。雫も椅子に座るなり、小さく息を吐いて背もたれに体を預けた。
「結構歩いたね」
さっきも同じことを言ったことだけど、同じことを言ってしまうくらい疲れていた。
「ほんとにね」
「でも、楽しかった」
「また、どっか行きたいね」
「行きたいね」
メニューを開きながら、今日見たものや、途中で道を間違えたことを思い出して笑う。こうして座って振り返ってみると、本当にいろんなところを歩いたんだなと思う。
「湊、あのとき地図見ながら自信満々だったのに、全然違う方向行ってたよね」
「いや、あれは雫も同じだったじゃん」
「私は途中で気づいたもん」
「俺だって気づいたもん」
「俺だって気づいてたよ」
「じゃあ、なんでそのまま歩いてたの?」
「……雫についていっただけ」
「それ、ずるい」
笑いながらメニューを覗き込む雫を見て、俺も笑った。こういう時間が、なんだか好きだった。
運ばれてきた料理を食べながら、そんな何気ない話の途中で、雫が箸を置いた。
「ねぇ、湊」
「ん?」
「この前、一週間くらい遠くに撮影しに行ってたって言ってたドラマ、見たよ」
「ああ、あれ?」
「うん」
「見てくれたんだ」
「うん、見た」


