甘めのが欲しい。

「白鳥……杏奈ァ」


語尾が小さくなって聞き取りづらくて


真横に椅子をスライドさせる。


「ん?名前、なんて?」


分かってるのに急に距離を詰め、


耳元を貸す。「杏奈っ!」


そう耳を裂くほど大きな声で自己紹介された。


耳がジンジンして痛いところを


垣間見られ、表情を崩さない僕。


「杏奈ちゃんか。これからも宜しく」


手のひらを出し仲良く交渉の合図を送る。