ちょうど三時間目が終わった頃。
隣の教室から──ガッターンッ!と、何かが倒れるようなすごい音が聞こえてきた。
教室の男子数名が飛び出して行って、その後に「落ち着けって!」「おい!」と、焦ったような声が続いて聞こえてくる。
どうやら喧嘩か何かが起きたみたい。
あまりそういう騒ぎに慣れていない私は、マミちゃんの席へ行こうとした。
「落ち着けって! 坂本!」
「え……?」
喧嘩しているのって、坂本くんなの?
どうしても坂本くんと喧嘩のイメージが結びつかなくて、私は思わず教室を飛び出した。
そのまま隣の教室の空いている扉から坂本くんの席の近くを見ると、誰かにのしかかるようにして拳を振り上げている。
「さ、坂本くん……?」
決して大きな声じゃなかった。
ただ、つぶやくように言っただけ。
それでも、坂本くんの耳に入ったようでピタリと動きが止まる。
振り上げていた拳が下ろされて、身体を起こすと、そのまま何事もなかったかのように立ち上がった。
そして、振り返る。──目尻を下げた、笑顔で。
「柊さん」
「……っ!」
右唇の端が切れて血が滲んでいる。
痛そうだけれど、坂本くんはそれを感じていないのか、私に笑顔を向けている。
隣の教室から──ガッターンッ!と、何かが倒れるようなすごい音が聞こえてきた。
教室の男子数名が飛び出して行って、その後に「落ち着けって!」「おい!」と、焦ったような声が続いて聞こえてくる。
どうやら喧嘩か何かが起きたみたい。
あまりそういう騒ぎに慣れていない私は、マミちゃんの席へ行こうとした。
「落ち着けって! 坂本!」
「え……?」
喧嘩しているのって、坂本くんなの?
どうしても坂本くんと喧嘩のイメージが結びつかなくて、私は思わず教室を飛び出した。
そのまま隣の教室の空いている扉から坂本くんの席の近くを見ると、誰かにのしかかるようにして拳を振り上げている。
「さ、坂本くん……?」
決して大きな声じゃなかった。
ただ、つぶやくように言っただけ。
それでも、坂本くんの耳に入ったようでピタリと動きが止まる。
振り上げていた拳が下ろされて、身体を起こすと、そのまま何事もなかったかのように立ち上がった。
そして、振り返る。──目尻を下げた、笑顔で。
「柊さん」
「……っ!」
右唇の端が切れて血が滲んでいる。
痛そうだけれど、坂本くんはそれを感じていないのか、私に笑顔を向けている。

