夜。
自分の部屋に戻った私は、机の上に置いていた時計を手に取った。
蒼空に贈った時計と、同じデザインのもの。
あの日、事故のあとに見た時計は、止まっていた。
秒針は動かず、時刻だけが残されていた。
あの瞬間を、私は忘れない。
「……絶対に」
時計を握りしめる。
「今度こそ、守るから」
蒼空が亡くなるのは、七月十九日。
あと七日。
私はスマートフォンを開き、カレンダーを確認した。
七月十二日。
十三日。
十四日。
十五日。
十六日。
十七日。
十八日。
そして、十九日。
あと七日しかない。
でも、今回は違う。
事故が起きる場所も、時間も、私は知っている。
信号待ちをしなければいい。
あの交差点に近づかなければいい。
蒼空を、ひとりにしなければいい。
そうすれば、きっと。

