放課後。
授業が終わると、蒼空が鞄を肩にかけた。
「美月、帰ろ」
その言葉を聞いて、私は思わず蒼空の腕を掴んだ。
「待って!」
「え?」
「……今日、委員会ある?」
蒼空は少し考えてから答えた。
「今日はないよ」
「ほんと?」
「うん。なんで?」
私はほっと息を吐いた。
よかった。
今日は、一緒に帰れる。
「……一緒に帰りたかったから」
蒼空は一瞬驚いた顔をして、それから笑った。
「なにそれ。かわいいじゃん」
「うるさい!」
顔が熱くなる。
蒼空は私の頭をぽんと撫でた。
「帰ろっか」
「うん!」
昇降口を出ると、莉子と陸が校門のところにいた。
「ふたりとも、また明日ねー!」
莉子が手を振る。
「おう。またな!」
陸も笑っている。
私はふたりに手を振り返した。
明日も会える。
そう思えることが、こんなにも幸せだなんて。

