昼休み。
私たち四人は、いつものように机をくっつけてお弁当を食べていた。
「そういえばさ、夏休みどこいく?」
海。だよね。
「私、海行きたい海!」
莉子が箸を動かしながら言った。
それに陸も蒼空も賛同する。
「来週の土曜日でいい?」
「俺、空いてる」
陸がすぐに答える。
「蒼空は?」
「俺も大丈夫」
蒼空が私を見る。
「美月は?」
「もちろん!」
思わず即答した。
「楽しみすぎる!」
「美月、海好きだもんね」
莉子が笑う。
「うん!」
本当は、海に行く予定なんてどうでもよかった。
ただ、こうして四人で笑っていられることが嬉しかった。
陸が唐揚げをひとつ口に放り込む。
「じゃあ、当日は俺が浮き輪持ってくわ」
「浮き輪って言えば美月さ______」
「ちょ!!ばか蒼空!!」
莉子が吹き出す。
私も笑った。
笑いながら、蒼空の横顔を見つめた。
この時間が、ずっと続けばいいのに。
そんなことを思ってしまう。
「……美月?」
蒼空がこちらを向いた。
「なに?」
「唐揚げ、食べないの?」
「あ、食べる!」
慌てて箸を動かす。
蒼空は自分のお弁当から唐揚げをひとつ取って、私のお弁当箱に入れた。
「はい」
「え、いいの?」
「うん。好きだろ?」
その何気ない優しさに、また泣きそうになった。
「……ありがと」
「どういたしまして」
蒼空は何も知らない顔で笑っていた。

