「おはよー!」
学校に着くと、莉子が教室の前で手を振っていた。
「おはよう、莉子!」
「美月、今日ちょっと元気じゃない?」
「そう?」
「うん。なんか、いつもより蒼空くんにくっついてる」
「えっ!?」
思わず蒼空から離れる。
隣で蒼空が笑った。
「こいつ、朝からずっとこんな感じ」
「ちょっと、蒼空!」
「なに?」
「言わなくていい!」
莉子がくすくす笑う。
「相変わらず仲いいねえ」
その言葉に、胸が痛くなった。
相変わらず。
そうだ。
莉子にとっては、昨日も今日も何も変わっていない。
蒼空が亡くなったことも。
私が何度も彼を失ったことも。
誰も知らない。
「……美月?」
蒼空が私の顔を覗き込んだ。
「大丈夫?」
「うん!」
私は笑った。
今は、泣いちゃだめだ。
せっかく戻ってこられたんだから。
この時間を、無駄にしたくない。

