蒼空の手を握る。
さっきまで、私の手を握ってくれていた手。
「蒼空……お願い……」
声が震える。
涙が頬を伝った。
「私のこと、庇わなくてよかったのに……」
どうして。
どうして私なんかを。
どうして、蒼空が。
「……やだよ」
何度呼んでも、蒼空は目を開けなかった。
遠くから救急車のサイレンが聞こえてきた。
その音を聞きながら、私は蒼空の手を握りしめていた。
お願い。
お願いだから。
もう一度、笑ってよ。
いつもみたいに、私の名前を呼んでよ。
助けるつもりが、なんで助けられてるの私が。
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