事故が起きた日の、放課後。
私はいつものように、蒼空の席の隣に立っていた。
「蒼空、帰ろ」
鞄を肩にかけながら声をかけると、蒼空は机の上に広げていたプリントから顔を上げた。
「あ、ごめん。今日、委員会あるんだった」
「えー、また?」
「今日中に終わらせなきゃいけないらしくてさ」
蒼空は申し訳なさそうに笑った。
「悪い。先帰ってて」
「……わかった」
ほんの少しだけ、つまらなかった。
だって、いつも一緒に帰っていたから。
小さい頃から、ずっと。
学校が終われば一緒に帰って、くだらない話をして、気づけば家の前に着いている。
それが、私たちの当たり前だった。
「じゃあ、また明日ね」
私がそう言うと、蒼空は笑った。
「うん。また明日」

