夜。
ベッドに寝転がりながら、私は蒼空からのメッセージを待っていた。
午後九時。
スマホが震える。
『今日はありがとな』
『こちらこそ!』
『明日、ちゃんと話すから』
その文字を見つめる。
何を話すんだろう。
別れ話?でも、大好きって言葉に俺もって返してくれたし・・・
少しだけ気になったけれど、私は深く考えないことにした。
『うん! 楽しみにしてる』
送信すると、すぐに返信が来た。
『おやすみ、美月』
『おやすみ、蒼空』
スマホを枕元に置く。
ふと、棚の上にある腕時計が目に入った。
蒼空にあげたものと、おそろいのデザイン。
私はそれを手に取り、文字盤を眺めた。
針は、午後九時十七分を指している。
明日も、いつも通り朝が来る。
蒼空に会って、笑って、一緒に帰って。
そして、明後日も、その次の日も。
そんな毎日が続いていく。
私は時計をそっと元の場所に戻した。
「……おやすみ」
誰に言うでもなく、小さくつぶやく。

