家の近くまで来たとき、蒼空がふと足を止めた。
「美月」
「ん?」
「……明日、ちょっと話したいことがあるんだ」
胸が、どくんと鳴った。
「話したいこと?」
「うん」
蒼空は、いつもより少し真剣な顔をしていた。
え、なに?こんな過去なかった。
私は思わず、握っていた手に力を込める。
「……なに?」
「明日、ちゃんと話す」
「今じゃだめ?」
「うん。明日がいい」
蒼空は少し困ったように笑った。
「ごめん」
私は首を横に振った。
「ううん。いいよ」
きっと、たいしたことじゃない。
夏休みの予定かもしれない。
またどこかに行こう、という話かもしれない。
そう思おうとした。
蒼空が、私の頭を優しく撫でる。
「じゃあ、また明日な」
「……うん。また明日」
蒼空が歩き出す。
私はその背中に向かって、声を張り上げた。
「蒼空!」
「ん?」
振り返った蒼空に、私は笑顔を向けた。

