蒼空が私の手を握ってきたから、私も握り返した。
夏の朝は、もう十分に暑い。
だけど、隣にいる蒼空の手は、いつも少しだけひんやりしている。
「ねえ、海の日さ」
「ん?」
「水着、どうしようかな」
「持ってるんじゃないの?」
「あるけど!去年と同じじゃつまんないじゃん」
「俺、違いわかるかな」
「わかってよ!」
「冗談だって」
蒼空は楽しそうに笑った。
「美月は何着ても似合うよ」
「……そういうこと急に言わないで」
「なんで?」
「恥ずかしいから!」
「彼氏なのに?」
「彼氏でも!」
蒼空はますます笑った。
ほんと、朝から調子が狂う。
でも、そんな時間がたまらなく好きだった。

