『君が死ぬ7日前、何度でも君に恋をする』



「美月ちゃん……」


隣から、蒼空のお母さんの声がした。

私はゆっくり顔を上げる。



「少し、休もう」



「……ううん。大丈夫」




大丈夫。




その言葉を、今日だけで何回口にしただろう。

大丈夫なわけがない。


息をするたび、胸の奥がぎゅっと締めつけられる。

生まれた時からずっと一緒だった君がいない。


その事実だけが、頭の中で何度も繰り返される。

昨日まで、当たり前にあったものが。


朝起きれば届いていた、おはようのメッセージが。

帰り道に繋いでいた、君の大きな手が。

私の名前を呼ぶ、少し低い声が。


全部、全部。



もう、どこにもない。



「……蒼空」



小さく名前を呼んでみる。

返事はなかった。

当たり前だ。

そんなこと、わかってる。

わかっているのに。



「ねえ、蒼空」



もう一度、呼んだ。



「……起きてよ」



遺影の中の君は、笑ったままだった。