それは、去年の文化祭で撮った写真だった。 『美月、こっち向いて』 あの日、君はそう言って、私の写真を撮ろうとした。 『やだ。変な顔してるもん』 『してないって。かわいいよ』 『……ばか』 恥ずかしくて、顔を背けた。 そんな私を見て、君はいつものように笑った。 君のスマホには、私の寝顔や、変な顔をした写真ばかりが残っていた。 その中にある二人で撮った写真を、私は何度も見返していた。 だって、君が笑っているから。 君が、まだ生きているみたいだから。