本屋に着くと、私は漫画のコーナーに走った。
「あったー!」
「お、あった?」
「うん! これこれ!」
手に取った漫画を蒼空に見せる。
「これ、めっちゃ面白いんだよ!」
「へえ」
「蒼空も読む?」
「じゃあ、借りようかな」
「貸してあげる!」
「ありがと」
会計を済ませて店を出ると、蒼空が私の鞄を持とうとした。
「貸して」
「え? いいよ」
「重そうだから」
「大丈夫だって!」
「いいから」
蒼空は私の鞄をひょいと持ち上げた。
「ほら、行くぞ」
「……ありがと」
「ん」
私は蒼空の隣に並んだ。
夕方の風が、少しだけ涼しかった。
「ねえ、蒼空」
「ん?」
「今日、楽しかったね」
蒼空は私を見て、ふっと笑った。
「……そうだな」
「明日も楽しいといいね」
「明日も一緒にいるんだから、楽しいだろ」
「……なにそれ!」
嬉しくて、思わず笑ってしまった。
蒼空も笑った。
それだけで、十分だった。
その夜。
私はベッドの上で、買ったばかりの漫画を読んでいた。
途中まで読んだところで、スマホが震える。
蒼空からだった。
『漫画、読み終わったら貸して』
私はすぐに返信した。
『まだまだ先だよー!』
『じゃあ、早く読め笑』
『ひどい!笑』
少しして、またメッセージが届いた。
『おやすみ』
『おやすみ!また明日ね』

