放課後。
今日は委員会もなく、蒼空と一緒に帰れる日だった。
「本屋、行くんだろ?」
「うん!」
「何買うの?」
「漫画!」
「それは知ってる」
「えへへ」
校門を出て、二人で並んで歩く。
「ねえ、蒼空」
「ん?」
「夏休み、どこか行きたいところある?」
「急だな」
「だって、もうすぐ夏休みじゃん!」
「そうだなあ……」
蒼空は少し考えてから言った。
「海とか?」
「海!」
「美月、好きだろ」
「うん!行きたい!」
「じゃあ、行くか」
「ほんと!?」
「うん」
私は嬉しくなって、蒼空の手を握った。
「約束だからね!」
「はいはい」
「ぜったい、ぜったい、ぜーったいだよ!」
「わかったって」
蒼空は笑いながら、私の手を握り返した。
「楽しみだな」
「うん!」
その一言が、ただただ嬉しかった。
夏休み。
海。
蒼空と二人で過ごす時間。
考えるだけで、胸がいっぱいになった。

