教室に入ると、莉子がこちらに気づいて手を振った。
「おはよー! 美月!」
「莉子、おはよ!」
「って、また二人で登校?」
莉子は私と蒼空を交互に見て、にやりと笑った。
「ほんっと仲いいよねえ」
「なにそれ。普通でしょ?」
「はいはい、普通ね」
「莉子!」
蒼空は苦笑しながら、自分の席に向かった。
莉子が私の腕を引っ張る。
「ねえねえ、昨日なんかあった?」
「え? なんで?」
「いや、なんか今日めっちゃ機嫌よくない?」
「そう?」
「うん。顔がにやけてる」
「にやけてない!」
「にやけてるって!」
二人で笑い合っていると、隣の席から蒼空が振り返った。
「お前ら、朝からうるさい」
「蒼空が宿題見せてくれないから!」
「見せるって言っただろ」
莉子が呆れたようにため息をついた。
「美月、蒼空に甘やかされすぎ」
「えへへ」
「褒めてないからね?」
教室に笑い声が広がった。

