学校を出ると、空はすっかり夕焼けに染まっていた。
「今日、めっちゃ暑かったね」
「わかる。体育とか最悪だった」
「男子は何やったの?」
「サッカー」
「えー! いいな!」
「美月、サッカー好きだっけ?」
「見るのは好き!」
「やるのは?」
「……苦手」
蒼空が吹き出した。
「知ってる。前にボール蹴ったら、全然違う方向に飛んでったもんな」
「ちょっと! 忘れてよ!」
「あれは面白かった」
「蒼空の意地悪!」
私はぷいっと顔を背けた。
すると、蒼空が隣で笑いながら言った。
「ごめんって」
「もう知らない」
「アイス買ってやんないぞ」
「それは困る!」
「じゃあ許して」
「……しょうがないなあ」
私が笑うと、蒼空も笑った。
いつもの帰り道。
いつものくだらない会話。
それがなんだか楽しくて、私は蒼空の隣を歩きながら、そっと手を伸ばした。
「ん?」
蒼空が私を見る。
「手、繋ご」
「ん、いいよ」
蒼空は当たり前みたいに手を繋いでくれた。
「……えへへ」
「なに笑ってんの?」
「なんでもなーい」
「変なの」
そう言いながら、蒼空も少し笑っていた。

