午後五時。
私は教室で、スマホをいじりながら蒼空を待っていた。
友達から送られてきた動画を見ていると、思わず吹き出してしまう。
「なにこれ、面白すぎ……」
ひとりで笑っていると、廊下から足音が聞こえた。
「美月ー!」
顔を上げると、蒼空が教室の入り口から手を振っていた。
「蒼空!」
「お待たせ」
「お疲れさまー。委員会どうだった?」
「プリント綴じるだけだったのに、なんかめっちゃ時間かかった」
「大変だったね」
「ほんとだよ。腹減った」
蒼空はお腹を押さえた。
「なんか食べて帰ろうぜ」
「えっ、いいの?」
「いいよ。美月、なんか食べたいもんある?」
「うーん……アイス!」
「アイスかよ」
「だって暑いんだもん!」
「まあ、確かに」
蒼空は笑いながら、私の鞄を指さした。
「荷物、持とうか?」
「え、いいよ。自分で持てる」
「そっか」
「でも、帰りにアイス買ってね」
「はいはい」
「約束!」
私は小指を差し出した。
蒼空は一瞬きょとんとして、それから笑った。
「なにそれ、小学生かよ」
「いいから!」
「はいはい」
蒼空の小指が、私の小指に絡まった。
「約束な」
「うん!」

