「……私だって、蒼空がよかったよ」
手紙を握りしめ、声を上げて泣いた。
「ほかの誰でもなくて……蒼空がよかったのに……!」
涙が便箋に落ちる。
文字が滲んでしまわないように、私は慌てて手紙を離した。
こんなに泣いているのに。
こんなに苦しいのに。
それでも、手紙の最後に書かれた言葉が、胸に残っていた。
――美月が笑っていてくれますように。
私は何度も、何度も、その一文を読み返した。
そして、ゆっくりと顔を上げた。
窓の外には、夏の青空が広がっていた。
「……蒼空」
小さく名前を呼ぶ。
「私、幸せになるね」
涙を拭った。
「でも、忘れないから」

