最後の一行を読み終えた瞬間、私は手紙を胸に抱きしめた。
「……ばか」
涙が止まらなかった。
「蒼空のばか……!」
どうして。
どうして、こんな大切なことを一人で抱えていたの。
どうして、私に何も言ってくれなかったの。
どうして。
どうして、そんなに優しいことばかり言うの。
私だって。
私だって、蒼空と結婚したかった。
蒼空と同じ家に帰って。
蒼空の隣で朝を迎えて。
くだらないことで喧嘩して、仲直りして。
いつか二人で、家族になりたかった。
子どもが生まれたら、蒼空に似て優しい子になってほしいって。
そんな未来を、何度も想像した。
でも、その未来はもう来ない。
どれだけ願っても。
何度やり直しても。
もう、蒼空には会えない。

