学校に着くと、教室はいつも通りだった。 友達の笑い声。 廊下を走る足音。 窓の外に広がる、夏の青空。 何も変わっていない。 「美月!」 莉子は私の顔を見つめ、それからそっと抱きしめてくれた。 何も聞かずに、背中を撫でてくれる。 その優しさに、また涙が出た。 「莉子……」 「うん」 「蒼空が……」 そこから先は、言葉にならなかった。 莉子は、ただ私を抱きしめていた。