それでも。 彼が私に残してくれたものは、確かにここにある。 私はゆっくりと起き上がった。 机の上には、蒼空の腕時計が置かれていた。 蒼空の時計は、午後5時37分で止まったままだ。 私はそっと、彼の時計を手に取った。 「……私、ちゃんと生きるね」 涙を拭った。 「蒼空がいない夏も、ちゃんと生きるから」