病院の白い天井を、私はぼんやりと見つめていた。 蒼空は、病院に着く前に亡くなったと告げられた。 心臓の病気が、急激に悪化したのだという。 事故に遭わなくても。 あの交差点を通らなくても。 私は、蒼空を救えなかった。 ベッドの上で、私は腕時計を見た。 針は、午後5時37分で止まっていた。 蒼空が最後に、私の手を握ろうとしてくれた時間。 私は時計を胸に抱きしめた。 「……どうして」 何度も、何度も呟いた。 「どうして、蒼空なの……?」