私たちは学校を出た。
いつもの帰り道。
何度も歩いた道。
だけど、今日はいつもと違う道を選ぶ。
あの交差点を通らないように。
事故が起きた場所を避けるように。
「こっちから帰ろう」
私は蒼空の手を引いた。
「いいけど、遠回りになるぞ?」
「いいの」
彼は少し不思議そうにしながらも、何も言わずに私についてきた。
これで大丈夫。
今までとは違う道を選んだ。
これなら、きっと。
そう思った瞬間だった。
「……っ」
蒼空が突然、足を止めた。
「蒼空?」
振り返ると、彼は胸元を押さえていた。
顔から血の気が引いている。
「蒼空!?」
「大丈夫……ちょっと、息が……」
声が震えていた。
私は慌てて彼の肩を支えた。
「座ろう!ねえ、座って!」
近くのベンチに蒼空を座らせる。
彼は苦しそうに息をしていた。
何度も、何度も。
「蒼空、救急車呼ぶから!」
スマホを取り出そうとすると、彼が私の手を掴んだ。

