「……ねえ」
「ん?」
「今日って、何日?」
「え?」
蒼空が壁の時計を見た。
「七月十二日だけど」
七月十二日。
頭の中で、何かが音を立てた。
事故が起きたのは、七月十九日。
ちょうど、一週間後。
私は慌ててベッドから飛び起きた。
「スマホ……!」
「え、なに?」
枕元に置かれたスマホを手に取る。
画面に表示された日付は、七月十二日。
そして、蒼空からのメッセージ。
『明日、委員会の資料一緒に確認してくれる?』
その下には、昨日のやり取りが残っていた。
夢じゃない。
本当に、戻ってきたんだ。
七日前に。
蒼空が死ぬ、七日前に。
「……っ」
震える指で、スマホを握りしめた。
どうして。
どうして、こんなことが起きたの。
神様が、願いを叶えてくれたの?
それとも、これは私が作り出した夢なの?
わからない。
何もわからない。
だけど。
ひとつだけ、確かなことがあった。
今、蒼空は生きている。
私の目の前で、笑っている。
それだけで、十分だった。

