「……蒼空」 「ん?」 「今日、体育休んで」 「え?」 「あと、階段も走らないで。重いものも持たないでね」 蒼空は目を丸くした。 「なんだよ、急に」 「お願い」 「……わかったよ」 少し困ったように笑う蒼空。 私はさらに続けた。 「あと、体調が悪くなったらすぐ先生に言って。絶対に我慢しないで」 「はいはい」 「はいは一回!」 「……はい」 その返事に、思わず笑ってしまった。 蒼空も笑った。 その瞬間だけは、何もかも忘れられた気がした。