蒼空は、私の顔を見つめた。
「……正直、俺も怖いんだ」
その声が、少し震えていた。
「この先、どうなるのか。どれくらい普通に生活できるのか。俺にも、まだわからない」
私は何も言えなかった。
「でもさ」
蒼空は、私の手を握った。
「今日みたいに、美月と海に来たり、学校でみんなと笑ったり。そういう時間が、俺は大好きなんだ」
「……蒼空」
「だから、これからも一緒にいてほしい」
蒼空の瞳が揺れた。
「病気のこと、ちゃんと話しておきたかった。お前に隠し事したまま、一緒にいるのは嫌だったから」
私は首を横に振った。
「……もう、隠し事なんてしないで」
「うん」
「怖いときは、怖いって言って」
「……うん」
「私も、怖いよ」
涙が溢れた。
「蒼空がいなくなるの、怖い」
蒼空は何も言わず、私の手を強く握った。
「でもね」
私は涙を拭った。
「だからって、蒼空と一緒にいるのをやめたりしない」
蒼空の目から、涙が一粒落ちた。
「……ありがとう」
「だから、来年も一緒に来ようね」
「……うん」
「その次の年も」
蒼空は泣きながら笑った。
「……うん」
私は蒼空の胸に顔を埋めた。

