その日の帰り道。
莉子と陸は途中で別れ、私と蒼空は二人きりになった。
夕焼けの中を、ゆっくり歩く。
「なあ、美月」
「なに?」
「昨日のことなんだけど」
心臓が跳ねた。
「……病気のこと?」
「うん」
蒼空は少しだけ空を見上げた。
「俺、今までさ。病気のこと、あんまり考えないようにしてたんだよ」
「……うん」
「考えたって、どうにもならないし。普通に学校行って、友達と遊んで、お前と一緒にいられたら、それでいいって思ってた」
蒼空は笑った。
「でも、最近はちょっと怖い」
私は黙って聞いていた。
「この先、どうなるんだろうって。来年も、再来年も、普通に過ごせるのかなって」
その言葉に、胸が締めつけられた。

