夕方。
ゲームセンターを出ると、空がオレンジ色に染まっていた。
「腹減ったー!」
陸が大きく伸びをする。
「なんか食べて帰ろうぜ」
「賛成!」
莉子がすぐに手を挙げた。
「美月は?」
「うん、行きたい」
そう答えると、蒼空が私を見た。
「……無理してない?」
その言葉に、胸がぎゅっとなった。
「してないよ」
「ほんとに?」
「ほんと」
蒼空は少しだけ考えてから、笑った。
「じゃあ、行くか」
4人で歩き出す。
その途中、蒼空がふいに足を止めた。
「……悪い。ちょっと休んでいい?」
私はすぐに振り返った。
「どうしたの?」
「いや、ちょっと息切れしただけ」
蒼空は笑っていた。
でも、顔色が悪かった。
額には汗が滲んでいる。
「蒼空……」
もしかして、いつも無理してたの?
私そんなことにも気づかなくて。
いつも自分ばっか。
「大丈夫。ちょっと歩きすぎただけ」
そう言って、蒼空は近くのベンチに腰を下ろした。
陸が心配そうに隣へ座る。
「おい、無理すんなよ」
「わかってるって」
莉子も不安そうに蒼空を見つめていた。
私は蒼空の前にしゃがみ込んだ。
「……病院、行く?」
蒼空は首を横に振った。
「大丈夫。少し休めば平気だから」
「でも……」
「美月」
蒼空が私の手を握った。
「心配してくれて、ありがとな」
その優しい声が、余計に苦しかった。

