『君が死ぬ7日前、何度でも君に恋をする』



何度も何度も来た病院の待合室は、静かだった。

嫌な思い出。

でも今日は隣に蒼空がいる。

受付の向こうから、看護師さんの声が聞こえる。

蒼空は隣に座ったまま、ずっと手を握りしめていた。

「……怖い?」

私が尋ねると、蒼空は首を横に振った。

「別に」

「嘘」

「……ちょっとだけ」

その言い方が、あまりにも蒼空らしくて。

私は笑いそうになった。

でも、笑えなかった。

だって、彼の手が震えていたから。

「美月」

「ん?」

「俺、ずっと言わなきゃって思ってた」

蒼空は私を見ずに言った。

「でも、言ったら……美月が悲しむと思って」

「……うん」

「泣くと思って」

「……うん」

「俺のこと、ずっと心配すると思って」

「……うん」

私は、握りしめられた彼の手にそっと触れた。

「それでも、聞きたい」

蒼空が顔を上げた。

「何も知らないまま、蒼空がいなくなるのは嫌だから」

その瞬間、蒼空の表情が崩れた。