昼休み。
莉子と陸も交えて、お弁当を食べていた。
「そういえば、蒼空」
陸が唐揚げを頬張りながら言った。
「この前言ってた病院、また行くの?」
その瞬間。
私の箸が止まった。
「……病院?」
思わず聞き返す。
こんな話、今までなかった。
「その話、今しなくてよくない?」
一瞬、空気が止まった。
莉子が不思議そうに蒼空を見る。
「え? 病院って、蒼空くん、どこか悪いの?」
「いや、そういうんじゃないよ」
蒼空は笑って答えた。
「この前の健康診断で再検査必要になっただけ」
莉子は首を傾げたけれど、それ以上は聞かなかった。
私は、何も言えなかった。
検査。
頭の中で、言葉が何度も繰り返される。
蒼空が病院に?
私は、そんなことを知らなかった。
ずっと一緒にいたのに。
彼女なのに。
「……美月?」
蒼空が私を見た。
「どうした?」
私は慌てて笑った。
「ううん。なんでもない」
けれど、心臓の音がうるさかった。

