私は、それ以上聞かなかった。 けれど、胸の奥に小さな違和感が残った。 授業中も、蒼空は時々、ぼんやりと窓の外を眺めていた。 いつもなら、私にちょっかいを出してくるのに。 今日は、どこか遠くを見ている。 「……蒼空?」 小さく呼びかけると、蒼空は我に返ったようにこちらを向いた。 「ん?」 「先生、見てるよ」 「うわ、やば」 慌てて黒板を見る蒼空に、私は思わず笑ってしまった。 いつも通りだ。 そう思いたかった。