その日の帰り道、蒼空はいつもより口数が少なかった。 私は何度も話しかけようとしたけれど、結局、何も聞けなかった。 家の前に着くと、蒼空が立ち止まった。 「じゃあ、また明日」 「……うん」 「ちゃんと寝ろよ」 「蒼空もね」 蒼空は笑って、手を振った。 私はその背中を見送った。 本当は、もっと話したかった。 でも、無理に聞き出すことが正しいのか、わからなかった。 蒼空には、蒼空の事情がある。 それでも。 私は、もう何も知らないまま彼を失いたくなかった。