蒼空は、何を話そうとしていたのだろう。
どうして、あんなに苦しそうな顔をしていたのだろう。
どうして、何度も私を庇うのだろう。
もしかしたら。
私は、蒼空のことを何も知らないのかもしれない。
ずっと一緒にいたのに。
誰よりも近くにいたつもりだったのに。
蒼空が抱えているものを、私は何ひとつ知らなかった。
「……蒼空」
時計を胸に抱きしめる。
「今度こそ、ちゃんと話を聞かせて……」
その瞬間、時計の針が十二時を告げた。
カチッ。
止まっていた秒針が、動き出す。
そして、視界が真っ白になった。
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