また、病院の白い天井。
また、蒼空のお母さんの涙。
また、私の手の中で止まった腕時計。
何度目だろう。
何度、蒼空を失えばいいのだろう。
私は時計を握りしめた。
「……どうして」
声が震える。
「どうして、助けられないの……?」
事故を避けた。
交差点にも近づかなかった。
蒼空と一緒にいた。
それなのに。
どうして、また。
涙が止まらなかった。
「……事故だけじゃ、だめなの?」
誰に向けた言葉なのか、自分でもわからなかった。
「私が知らない何かがあるの……?」
蒼空が最後に言った言葉が、頭の中で繰り返される。

