7月19日。
朝、目を覚ました瞬間から、身体が震えていた。
今日だ。
蒼空が亡くなる日。
私は蒼空の手を握りしめた。
「……今日は、絶対に離れないから」
「え?」
蒼空が不思議そうに笑う。
「なにそれ」
「……なんでもない」
学校に着いてからも、私はずっと蒼空のそばにいた。
授業中も。
昼休みも。
放課後も。
そして、蒼空が委員会に行こうとしたとき。
私は、彼の腕を掴んだ。
「……待って」
「ん?」
「私も一緒に行く」
「え、委員会?」
「うん」
蒼空は困ったように笑った。
「美月は委員じゃないだろ」
「でも……」
「大丈夫だって。すぐ終わるから」
その言葉に、胸が締めつけられた。
すぐ終わる。
前にも聞いた言葉。
そして、そのあと。
蒼空は帰ってこなかった。
「……蒼空」
私は、彼の手をぎゅっと握った。
「お願い。今日は、一緒にいて」
蒼空は、しばらく私を見つめていた。
そして、優しく笑った。
「……わかった。じゃあ、終わったらすぐ戻る」
「……うん」
私は頷いた。
蒼空が教室を出ていく。
その背中を、私はずっと見つめていた。

