放課後。
私は蒼空の机の前に立った。
「蒼空、今日、一緒に帰ろう」
「うん。いいよ」
「絶対だよ?」
「はいはい。わかってるって」
蒼空が笑う。
私はその手を握った。
今日は、事故が起きる日じゃない。
七月十三日でもない。
まだ十二日だ。
それでも、私は怖かった。
また、事故が起きる日を変えたら?
また、別の場所で事故が起きたら?
もし、私が知らないところで、蒼空がいなくなったら?
考えれば考えるほど、怖くなった。
「……美月?」
「……ねえ、蒼空」
「ん?」
「今日、寄り道しないで帰ろう」
「え? 別にいいけど」
「あと、明日も一緒に帰ろうね」
「うん」
「明後日も」
「うん」
「その次も……」
蒼空が、少し困ったように笑った。
「美月、どうしたんだよ」
「……なんでもない」
「なんでもなくないだろ」
蒼空は私の顔を覗き込んだ。
「何かあった?」
私は首を横に振った。

