昼休み。
4人でお弁当を食べていると、莉子がスマートフォンを取り出した。
「ねえねえ、海の日のことなんだけど!」
「まだその話?」
陸が笑う。
「だって楽しみなんだもん!」
「俺、サメの浮き輪持ってくからな」
「それはもういいって!」
蒼空が呆れたように言う。
いつもの会話。
いつもの笑い声。
私はお弁当の卵焼きを口に運んだ。
甘い。
いつもと同じ味。
「美月、それ食べないの?」
蒼空が私のお弁当を覗き込む。
「え?」
「唐揚げ。好きだろ?」
そう言って、蒼空は自分の唐揚げを私のお弁当箱に入れた。
「……ありがと」
「どういたしまして」
蒼空は何も知らずに笑っている。
私は俯いた。
どうして。
どうして、こんなに優しい人が。
何度も、私のために命を落とさなきゃいけないの。
「美月、どうした?」
「……なんでもない」
私は笑おうとした。
けれど、うまく笑えなかった。

